ナイロビの蜂


  監督:フェルナンド・メイレス   原作:ジョン・ル・カルレ

 キャストレイフ・ファインズ(英国外交官ジャスティン
      レイチェル・ワイズ(妻 テッサ
      ダニー・ヒューストン(ジャスティンの友人サンディ

 ストーリー

英国の外交官ジャスティンはとある演説会の会場で若く純粋な社会活動家テッサと出会う。生真面目な彼には、テッサは神の恩恵のような魅力的な女性だった。やがて結婚した2人はジャスティンのアフリカ転勤により共にケニアへと旅立つ。
ボランティア活動家として、ケニアの地で生き生きと働くテッサ。
ある日テッサは黒人医師のアーノルドとともにナイロビ空港からロキへと出かけてゆく。「2日後には帰るわ」とジャスティンに手をふって・・・そしてトゥルカナ湖のほとりで惨たらしい死体となって発見される。
 妻の秘密・・・なにも知らせられていない彼は人々から妻の不倫を耳打ちされるが、彼は信じがたい。妻の部屋からなくなったフロッピーやパソコン
妻の死の真相・・・そこには驚愕の事実が隠されていた。


ものすごいスケールの映画でした。美しいアフリカの大地、広漠とした赤い砂漠、大空を翔る鳥たち
美しいけど、なにものも寄せ付けないような過酷な自然に圧倒されます。
ケニアでは1500万人の人が1日90円で暮らしているそうだ。(これは現実の話です)
私達の想像を絶した貧困がアフリカの人々を苦しめている。テッサは大手製薬社が貧しい人々を使って新薬実験をしている事実を知り、友人の医師アーノルドと共に大手製薬会社を告発するレポートを
まとめあげ、政府に突きつけようとしたのだ。それ故に殺されてその事実も葬られてしまう。
製薬会社とケニア政府権力者の癒着・・・この世に履いて捨てるほどころがっていそうな話だ。

植物を愛しガーデニングを趣味とする物静かなジャスティンをテッサは心から愛していた。彼の外交官という立場を気遣い夫に何も知らせていなかったのだ。
外交官という立場を捨て、妻の足取りを追って真実を探す旅、
人を愛するということは、その人の人生をも生きること・・・やがて彼は彼女の元へと旅たつ
ジャスティンが死を覚悟してテッサが殺された湖のほとりに佇むシーンでは涙が溢れてなりませんでした。貧しい国を食い物にした権力者たちを告発する超社会派な映画と思いきや、なんという愛のドラマでしょうか!!真相を暴き妻の無念をはらすことで本来は終わりでしょうが・・・そうじゃない結末がすごい!感動です。ジャスティン役のレイフ・ファインズはその静かで知的な風貌がぴったりでした。
レイチェル・ワイズは原作を読み自らこの役に志願したほど。
この作品でアカデミー賞の助演女優賞を見事獲得!!!
 
アフリカの美しい大地と、そこで生きる過酷な人々の現実、プラス壮大な2人の愛
哀愁をおびた音楽
もとても良いです。是非是非、オススメ致します。